明日くらいにもうちょっと真面目に書いたやつ上げる予定です~!そっちはなんかホモホモしいやつ。
とりあえずお暇つぶしにどうぞ…(__)
にょ就ぽいけど男のままで読んで下さってもだいじょぶです。
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「長曾我部は抹茶が嫌いらしい」
椅子に横向きに腰掛け、後ろの毛利の机で頬杖をつきながらぼーっと窓の外を眺めていた俺の耳に、それまで黙々と読書をしていた毛利の声が飛び込んできた。
俺的にはかなりどうでもいい話なんだが、こいつから話し掛けてきたことがとても珍しくて、俺は思わず「へえ、そうなのか」と返してしまった。長曾我部と言うのはこいつの彼氏で俺のダチだ。高校に入ってから仲良くなった元親――長曾我部の名前だ――が、毛利に一目惚れした所から二人の関係は始まった。毛利と中学が一緒だったと言う理由で紹介をせがまれた俺は、つまりこいつらのCupidと言うわけである。そうでもなきゃ、あの元親がこんな人気のない放課後の教室で、自分以外の男と毛利を二人きりにさせるなど有り得ない。
「だから今度のバレンタインには、抹茶の菓子を作ってやろうと思っている」
「…え…いやいや…嫌いなんだろ?」
「だからよ」
…うーん…。
毛利は時々わけがわからねえ。たまに、つうか結構頻繁に元親のこと嫌いなんじゃねえかと思わせるような事を言ったり、嫌がらせに近い行動をしたりする。
今みたいに嫌いな食べ物をあえて食べさせようとしたり、元親とは情けで付き合っているとか、SEXが下手過ぎてつまらないとか、そういうことを俺に言う。お前こんなことを言われていたぞ、なんて俺から元親に伝えるのは筋違いだと思うから俺は毛利の愚痴を聞くだけだし、毛利も俺が元親に言わないことを分かっているから俺に話すのだろう。じゃあ別れればいいじゃねえかと返しても、情が湧いたから、と言ってよく話を打ち切った。毛利は一体何がしたいんだよ。
「抹茶と見せ掛けてワサビをふんだんに使ってもよいな」
「…アンタなあ…大体匂いでわかるだろ」
「あやつは我の手作りであれば何でも食べる」
「………そうかよ」
不思議だ。面倒臭いからこいつらの関係を気にかけてやるつもりは毛頭ないが。
「あと、あの男はホワイトチョコレートが好きらしいな」
「…ふうん」
んなこと知らねえし、正直興味もねえ。
「ホワイトチョコレートにワサビを混ぜるか…」
「……………Oh…」
crazyだな。
とかなんとか言っておいて、毛利の奴は。
「え?元就から?当たり前だろ」
「……どんなチョコ?」
級友の前田から聞いた話ではなんでも、元親と毛利は、十四日に駅前の公園のベンチで仲睦まじく談笑していたらしい。おまけに毛利は学校での地味な制服姿からは想像出来ないような、清楚で華美になりすぎないながらも、思わず人目を惹くようなお洒落な姿で元親の隣にいたのだと言う。まあ当然、そこでバレンタインデーのチョコレートを渡したってことだよな。例の…ワサビがどうとかっていう。
なのに―――――信じられるか?
「ホワイトチョコのムースだよ。スゲー美味かったし元就可愛いしで最高だったぜ…」
「……………」
「俺がホワイトチョコ好きだって言ったら作ってくれてよ~、俺って世界一の幸せ者だよな」
なあ…俺、もしかしてからかわれてたのかな。いや、俺をからかって何になる。毛利が無駄なことを嫌う奴なのは十二分に知っているからそれはない。
じゃあなんだよ。
「…今朝一緒に登校してたのは日曜の夜に泊まりか?」
毛利は別のクラスだが、別れ際は今まで通りにあっさりしている、と言うか冷たかった。俺に対してじゃない、元親に対してだ。付き合っていることを疑いたくなるほどに、つまり普段通りだった。
「ああ、…昨日よ、いつも以上に気持ち良かったのか元就の奴、泣き喚いて失神しちまってさ」
元親はSEXが下手だとか散々愚痴ってたじゃねえか。
「え…なんか、俺はてっきり…毛利はお前のことあんまり好きじゃねえのかと…」
「はあ?何でだよ」
「いや…その」
何でと言われても、
「そもそも、お前に紹介してくれって頼んだのは俺だけど、その後告白してきたのは元就からだぜ」
……Shit!
ツイッターで呟いたネタをまとめてみた
(基本的に全部チカナリ/女なりっぽいのは女体でも女装でもどっちでも可)
文章で見たいネタとかあったら拍手で教えてください~
●元就の唇の熱でチョコが溶けるから、それを親指の腹で唇全体に塗るとかね… 俺はこれでいい、むしろこれがいい つってゆっくりちゅーしなさいよ
●褌をしめたことすらあいまいな綺麗なおじいさん前提でお願いします
元親がキルア(が敵の心臓抜き取った)みたいな、人の大切なものを痕跡なく奪う力があったら、躊躇することなく元就の褌を奪うのに…
気づいたらノー褌になっていることに驚く元就を観察したい
「我としたことが…また褌を締め忘れたと言うのか…」
●仲の悪い霊能者アニキ×科学者元就
霊なんて存在するはずもない、って言って心霊スポットに一人でも入っていける強靭な心臓の持ち主な元就とか
帰ってきた元就を見て、
「アンタ肩に一杯憑いてる!」
「はあ?…ああ、相当古い建物だからな蜘蛛の巣を被ったか」
とかそういうやりとりをするんだな…
●俺の方がモテる!我よ!と言い合って実はどっちも女の子から煙たがられてる瀬戸内…
「くそ…慰めろよテメー」
「煩い貴様こそもっと我に気を使え」
と言いながら気づいたら同じベッドに裸で寝てました
●黙ってればモテる元就
黙っていれば端正な顔立ちで上品だから元就の方がアニキよりモテる、という設定がとても好きです…
「憂いを帯びた横顔が素敵…あの聡明な目線…」
と、世のお嬢様方を虜にする元就様。口を開けば…あれですが…
でも付き合ったら最低限の幸せは保証してくれそうなんだよね元就は… アニキは付き合うまでは楽しいけど、付き合ってからが大変そう…主に金銭面において………
●手いいよーーー!!
アニキの手いいですよね…
「貴様のその繊細さのかけらもない手」なのに生み出すものは精密な機器であり元就の奥底に眠った快楽であり…というセンチメンタルもーりー
「我は貴様の手が何よりも嫌いだ…」
と言ってほしい。
元就が掴みたくても掴めない、っていうのもアニキの手よね ほんと親就と手は何故こんなに萌ゆるのか… その手を強引に掴んで引き寄せるのがアニキだと思ってるけど
いや実際やるかやらないかはともかく、それが出来るのはアニキだけだよねって話 どっちかと言うと。
●今、主任毛利さんが熱いんだ…
会社では凄い冷たくて仕事早いから必ず定時に上がるんだけど、あまりに性格がきついから部下とか同僚に凄い嫌われてんの。
「残業は無能のすること」
とか言っちゃうから反感を買って、定時に上がるのはどうせ女の為だろ?とか陰口叩かれる…
違う部署の元親もそんな態度が気に食わなくて嫌いだったんだけど、ある休みの日に元就がファミレスで小さな男の子にパフェを食べさせてあげる場面を偶然見てしまうんだ~
その子は今は亡き興元の忘れ形見で、今まで定時で上がってたのも全部その子を幼稚園に迎えに行くためだったと元親は知るのでした…そこから始まる親就ラブストーリー
でも史実通り幸松丸は幼くして死んでしまって、今まで張り詰めていたもの全部が切れて元就は抜け殻状態に→アニキが一緒に暮らそうって言って元就はゆっくりと自分を取り戻すとかそういうあれ
●荒縄褌アンソロはまだですか
アニキとのここぞという戦では荒縄褌をしめて、戦終わった頃には擦り切れて血まみれなのね…ああああ
ヒリヒリして痛いんだけどこんなことしてるなんて誰にも言えないから凄い背徳感に興奮する元就様 たまらん
戦中にアニキにみつかってベロベロコースもあるよ。
●私、親←サン派だけど元親とサンデーが凄い仲良くてもよくない? なんか好き好きって元就に言われたら普通に興奮すっぞこら
●不良×優等生
最初猫かぶってて「長曾我部くん」って呼ぶ学級委員な毛利くんが見たいな…しおらしくて美人な元就に一目惚れして凄く優しくするアニキとか、元就に会いたいから真面目に学校行くようになったりとか。
生徒会のはんべとかは元就の本性知ってるからアニキに対して「君は幸せな人だね」って爽やかな笑顔で言うんだけど嫌味だと気付かない。
もしくは、はんべに「はあ?」つってガラ悪く応対するのもいいな…自分の幸せは自分が決める!みたいなアニキ
あと元就と仲よさ気(実際は全然仲良くないけど)なのが気に食わないというのもある
●日の出町に住みたい…
同棲するって決めた時に、我は日の出町がよい!州`;д;) て泣かれて揺らぐアニキ…
最寄り駅も日の出駅
元親は中野か秋葉原に住みたいと思ってる。
●瀬戸内同居
なんでyouたち同居してんの? って政宗に突っ込まれるような仲悪い瀬戸内の同居生活が見たい…
大をした時のトイレットペーパーの使用量で揉める瀬戸内
元親の靴下が臭いと言う理由で一週間口をきかない元就
でも水道代を気にしてお風呂は一緒に入る二人
そんでお風呂に一緒に入る時はいつも自分のイチモツがどんなに素晴らしいか張り合ってる。
●性春…
おまえホントについてんのかよーって言いながらアニキハァハァしてんの
てかぶっちゃけると元就の男性器が見たいだけ
●レオタード着てほしいな~~
学パラで他キャラ(特に豊臣)がいるときは元就って生徒会長やらなそうだよねと思って…むしろ公式で新体操部でもいいと思ったよ
レオタード姿の毛利部長を見てムラムラする番長アニキ。
放課後一人で練習していた毛利部長を見ていたら我慢でき無くなってガバッ
「き…貴様、我のことが嫌いだからと言ってこのような…!」
「…うるせえよ」
本当は違うのこんな風に傷つけたい訳じゃないのに>< ていうツンデレ番長なアニキ
●あ…あああ…アニキが優しくしてくれたりアニキのカッコいいところ見たりしたら幸玉がぶわーってなっちゃう元就可愛い…ハアハアハアハア そんでアニキがその幸玉を集めるの 今日はこれだけ貯まったなって言いながら夜元就に還元するよ
●濡田満子というPNで成人向けエロ漫画を描いてる毛利元就
元親が住んでるアパートの隣人が、成人向け漫画家の濡田満子とは知らず、毛利元就として仲良くなるとかそういう話
ちなみに濡田満子の漫画には一人寝の夜にお世話になっています…みたいな(アニキが)
もしくは、漫画全然読まないアニキが、元就と仲良くなってから漫画家であることを知って、うっかり「ぬれた…まんこ?」って読んで元就に鼻で笑われるといいな
正しい読み方はじゅたみつこ。
●同人か漫画家やってる元就が、修羅場明けに元親に「脱肛した」ってメール送ったらいいと思うんよ… 原稿のことよく知らない元親が「えっ脱肛!!!????」って心配して家に駆けつけるよ
●アニキはこの世のスイーツを全部元就だと思って食べてる
だからアニキが甘いもの食べるとき「なんか…妙にエロいっすね…だ、抱かれたいっ><」って舎弟に言われる
わりぃな…俺のちんぼうは毛利専用だぜ…
●同窓会
高校卒業から10年後に同窓会で再会
「俺ぁテメェのことが大っ嫌いだった」
「我は貴様など眼中になかった」
って言い合いながらホテルで朝を迎える
寝たことを互いに後悔してるって言い合うも、一週間後にはまた会ってエッチしているダメな親就。
実は互いに彼女いたけど、二人とも同窓会の翌日に別れ話を切り出すのもいいな
片頬を腫らしたお互いの顔見て無言になる二人
「季節外れのでかい蚊が頬に止まったもんで…」
「階段で転んで…」
とか言い訳しながらラブホに入る。どうせそのうち同棲始めんだろ…
●イケメンだから許されてしまうセクハラ
年上アニキが年下元就に対してセクハラするのがブームだな…エロ親父的な…やめてください部長…みたいな…
でも元親部長はイケメンだから部下にセクハラしてるなんて誰も思わない…
アニキにセクハラされすぎて真面目に転職を考える毛利
そしたらアニキがプロポーズしにくるよ…
●コンドームを模したグミを元就にあげるアニキ
そんで「ゲスが!」って怒られるんだけど
「何言ってんだよ菓子だってホラ!」
って食べてみせるの
「いっつもエロいことばっか考えてんじゃねえの??」
ってアニキにからかわれて真っ赤になる元就見たい
●二代目総長×初代総長
暴走族の元総長元就と現総長の元親とか見たい…現役時は先代の元就が邪魔で仕方なかったんだけど、元就が引退して普通の大学生になった途端に何もかもがつまらなくなる元親…
アンタはそんなつまんねえ男じゃねえだろ!ってけしかけるんだけど、黙って殴られる元就にカッとなってごーかんしちゃうんだ…
散々ヤり終わった後で
「貴様はいつまで経っても我から卒業出来ぬのだな」
って言われてアニキは泣き出すといいよ…その時点では結局元就は元親に後輩以上の感情は抱いていないっていうか…
そんで足洗って元就と同じ大学を目指して補欠合格しましたとさ。
大学行ったら元就が意外とモテることを知ってますます必死になるアニキ希望 モテると言っても主に変態相手だけど…
●なんか多分元就は汚されたい願望があるんだよ…絶対…
スカートのポケットからコンドーム取り出す元就が見たいです
いつも捨て駒という名の取り巻きに囲まれている元就は学園のマドンナで、番長だけど最下層にいる元親はきらきらと輝いている元就を見つめるばかり。
でも時々、いやかなり頻繁に目が合って、そのたび意味深な視線を投げてくるんだけど、元就からは決して近づいてこようとはしないから元親はやきもきして自慰に耽るのでした。
雨が降ったある日の放課後、教室に忘れ物をした元親が取りに戻ろうとすると、下駄箱の所に元就が膝を抱えて座っていた。めくれたスカートからパンツが見えそうだから元親は無駄に慌てるんだけど、元就は元親を見ると立ち上がる。
立ち上がった元就の格好を見て元親は物凄い驚いた。よく見れば髪の毛も湿っているし、元就の制服のワイシャツは雨に透けてて、しかもブラをつけてなくて乳首がうっすら見えてる。
うわわわわわわって内心テンパってると、元就がスカートのポッケからコンドームを取り出すの。元親そこでプッツンして暗転。
●唇荒れてるって言って元就にリップクリームを塗るんだけど、塗ったらすぐにキスして自分の唇も潤すアニキが見たい
どうせ元就が持ってるリップクリームはメンタムだろうけど
アニキは苺とかオレンジの匂いがする可愛いやつ持っていそう…いや姫若子というわけではなく
●現代元就は牛乳石鹸の匂いがするんだろうか…シャンプーはメリットのリンスインシャンプー
●私の中では、アニキは限界までいったら元就以外のすべてを捨ててくれそうなイメージなんだよね…
反対に元就は最後まで毛利を捨てられなくて、最後の最後で元親を裏切る感じ
でも後悔しない元就がいいな…思い出だけで生きていけるもーり
●電車を待つ元就は綺麗だろうな 冬だと更にいい
アニキを待つ元就も綺麗なんだろうな…捨て駒になって大失恋したい…
●あと乳首が服に擦れるからって理由で男なのに絆創膏貼ってても元就なら許す
どんだけ乳首敏感なのかと
乳首晒せば服に擦れないし痛くないよってアニキに言われて、乳首の所だけ穴をあけるもーーーり……
●まさか元就様がブリーフ派だと知ったら捨て駒達は大混乱に陥るな
●ED元就
正室を娶ったはいいけど嫁との性生活が満足にいかず、恥を忍んでアニキに相談する元就
アンタは勃たなくても俺となら出来んだろって言いながら、元就の尻穴をガツンガツン掘るアニキ
その内勃起してぴゅぴゅーと射精できるからさ 心配いらないぜ元就…
ただしアニキに犯されている時だけしか反応しない不憫な体(つД`)
●背が小さいのを馬鹿にしているのだろうと元就が怒ったら「馬鹿言うんじゃねえ、オメェの一言一句聞き漏らしたくねえんだよ」って真顔で言ってください はあはあはあはあはあ元就は顔真っ赤にして何も言えなくなればいい…
●鳥になりたい…
元就がアニキの前で「鳥になりたい」って言ったら、まさか元就がそんな事言うとは思いもしなかったからアニキはうろたえるよね
アニキはその時は何も言えなくて、後日伊達辺りに毛利は何でそんな事言ったんだと思う?って聞いたら「自由になりたいんじゃないか?少なくとも俺は…このしがらみが云々かんぬん」みたいな返事がくる
そんで次元就と会った時に「アンタ自由になりたいのか?」って尋ねたら、「はあ?」って顔されたんで説明すると、元就は「毛利を捨てなければ手に入らない自由など要らない」みたいな事言うのかも
じゃあ何で鳥になりたいんだって聞いたら、元就は、そこら辺に飛んでるただの鳥になりたいわけじゃねーよ って元親の肩に乗るオウムを見ながら口ごもるわけですね。
●時計修理士の毛利さん萌える…
アニキが道端で拾った古い懐中時計を「俺の時計じゃねぇけど、直してやってくれないか」って持ってくるところから始まるんだよ
でもカラクリならアニキですね
元就が時計とか時計塔に執着してると、どうしても過去に未練があるんじゃないかと思っちゃうな…
壊れた兄の形見の時計をアニキのもとに持ってきた方が瀬戸内っぽい
●外科医×麻酔科
麻酔科の先生な毛利萌える…すっごいストイックっぽいな…完璧以外認めなさそう
人前では絶対にネクタイを緩めない毛利先生 ←ストイックの偏見
そんでなんかあった時に外科医の長曾我部先生に無理矢理ネクタイを緩められて、辱められたと思って長曾我部先生を意識し始める毛利先生
「き…貴様が…我を…ごにょごにょ」
「…はあ?大丈夫か毛利先生よ、熱でもあるんじゃ…診察してやろうか?」
「(エロい妄想をしながら)しっ診察!?」
チカ←ナリ可愛いな 最終的に両思いだけど
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王子様、ガラスの靴を拾ってよ
本州から離れたとある島に住む長曾我部元親は、齢二十を過ぎてなお非常に夢見がちであった。極度の人見知り体質の所為で幼い頃は周囲から姫若子と蔑まれ、益々部屋に引きこもって俯き絡繰りばかりを弄っていたので、大人になった今でも少し猫背気味である。しかし胸に秘めた夢と言う名の野望は何処までも広く大きく、姫若子と呼ばれていた頃より隣国のある少年を嫁にすると決めていた。
二年前に父親が死去して以来、元親は長曾我部家の当主として日々を忙しく過ごしていた。十代後半から心身共に急激に成長し始めた彼は、今では海の荒くれ者達を統率するまでになった。今まで元親を姫若子と馬鹿にしていた家臣は人が変わったように元親に尽くし、南蛮からやってきた商人より買い取った珍しい鸚鵡と言う鳥を元親に献上した。
しかし、幼い頃からずっと元親の将来を心配していた老臣ははじめこそ彼の成長を喜んでいたが、「俺は海賊王になる!そしてアイツの大切なものを盗むんだ…」と何かにつけて海に出たがるようになった元親を、ある日ついに執務室に閉じ込めてしまった。海やら何やらに夢中になりすぎて、国務を疎かにしすぎたのであった。
元親は様々な手を使って執務室から抜け出そうと試みたが、その度に邪魔をされ、いつの間にか話し相手は鸚鵡のピーちゃんだけになっていた。
「モトチカ、モトチカ」
下手をすれば元親よりも賢いかもしれないピーちゃんが、西に面した小さな格子窓の隙間から執務室に入ってきた。外ではもう陽が沈みかけていた。
「ピーちゃん、何処に行ってたんだよ」
朝から姿の見えなかったピーちゃんが帰ってきたことに元親は喜んだ。元親の肩にとまるなり、ピーちゃんは頻りに「ヨメ!ヨメ!」と鳴きはじめた。
「ヨメ?嫁のことか?」
「ヨメ!アキ!アキ!ヨメトリ!」
「秋に嫁取り…?」
ピーちゃんの断片的な言葉を繋ぎ合わせて元親は考える。ピーちゃんは少しだけだが人語を理解していた。理解はしていなくとも、何度か連呼された単語はすぐに覚えて言葉として発することが出来るので、元親は時々、あえてピーちゃんを城に放ち様子を窺う時もあった。もしかしたら、家臣達は秋になったら元親に嫁を娶らせるつもりなのかもしれない。
だが、このままではまずい。元親は既に、嫁に貰う相手を心に決めている。
「ちっ…だから俺はアイツ以外を嫁にする気はないって何度も……」
「ヨメ!ヨメトリ!」
「おう、今からでも対策練っとかねえとな」
「モリ!モーリっ!ウタゲ!モーリっ!アキ、ヨメトリ!」
「………ん?」
元親は耳聡くピーちゃんの声に片眉を上げた。
「………毛利…安芸………」
頭に浮かんだ単語を口の中で小さく呟くと、今度ははっと顔ごと上げた。
「毛利がっ!安芸で嫁取りの為の宴を開くってことか!?」
何を隠そう、元親は幼少時に一度だけ面識のあった安芸の毛利元就―――出会った当時は松寿丸と言う少年であった―――に恋をしていた。色褪せることのない元就の記憶は、歳を重ねるごとに重みを増し、元親の心を捕えて離さない。そういう理由で、元親は元就に関することに対しては異様な推察力が働くのであった。
それでは尚更、自分が嫁を取らされるよりも都合が悪い。有り体に言えば、毛利の現当主、元就の嫁探しの為の宴と言うわけである。いつ宴が開かれるのかはわからないが、元親はなんとしてもこの部屋から出なければならなくなった。元就は嫁を取る立場ではない、西海の鬼の異名を持つこの長曾我部元親に娶られるべき存在なのだ、と声を大にして叫びたかった。
「くそっ、こんなところでまごついてる場合じゃねえ!」
元親は立ちあがると部屋の中をうろうろと歩き回った。なんとしても、宴に行かなければならなかった。
それから数日が経った。相変わらず溜まりに溜まっていた大量の仕事に囲まれた元親は、億劫そうに筆やら手やらを動かしていた。
しかしその日は城の中がどこか慌ただしかった。気になった元親は仕事を放り投げ、壁際に張り付き耳をそばだてながら、家臣達の足音を聞いていた。
「なんだか落ち着かねぇな…まさか今日、安芸で…」
精神を集中させれば、執務室から離れた家臣達の声も聞こえるような気がした。それにより得た答えは、やはり本日、安芸の毛利元就の元に各地の大名の娘達が集まり、才色兼備で目が眩む程美しい元就をモノにしようと企てる女達の熾烈な争いが繰り広げられる、というものだった。
元親は頭からさっと血の気が引くのがわかった。このままでは元就の貞操が危うい。
「やべえ、やべえ!くそっ、ここから出る手立てはないのか」
見張りの兵に扉を開けてくれと頼んでも、無言で俯くばかりで埒があかなかった。元親の当主としての威厳はどこへ行ってしまったのだろうか。焦りばかりが募り、小窓の格子を掴む手に汗が滲む。
窓の外の海の向こうに、あの日と変わらぬ元就の姿が浮かんだ。――――会いたい。出来ることならば貴方と合体したい。
「頼む!俺を安芸へ行かせてくれーっ!」
元親は力の限り叫ぶと、がっくりと項垂れた。
「あらら鬼の旦那ってば、本当にこんな所に閉じ込められちゃってるわけ?」
唐突に格子窓の方から声が聞こえ、元親は勢いよく顔をそちらに向けた。
「……オメェは…甲斐の!」
この執務室は城の三階に位置するのだが、そこにいたのは甲斐の真田忍隊隊長、猿飛佐助であった。
「どうも~、この間の真田の旦那との手合わせぶりかな」
「おう、あん時は世話になったな」
ここに閉じ込められる前、元親は強者を求めて日の本を旅していた。甲斐に立ち寄った際、城下町の団子屋で何十本と言う団子を頬張っていた真田幸村と偶然出会い、意気投合するまま腕くらべをしたのだった。その場に居合わせたのがこの佐助だった。
「旦那がまた鬼の旦那と手合わせしたいって言うからさ~、一応お誘いに来たんだけどなんだか取り込み中?」
「…はっ、そうだ!」
近くに屋根や足場のないこの小窓に、果たして佐助はどのような体勢で顔を覗かせているのかが気になったが、元親は頭を左右に振って雑念を散らした。
「俺をここから出してはくれねぇか。今日、行かなきゃならねぇ場所があるんだ」
元親は真剣な顔で願い出た。
「ここから出してって…」
「後生だ!頼みの綱はもうオメェしかいねぇ!」
土下座せぬばかりの勢いで頭を下げる元親に心を動かされたのか、それとも頼まれることに弱いのか、佐助はしばし迷った後、協力を承諾した。
城内に忍び込んだ佐助が見張りを気絶させて扉を開けると、そこには何故か男泣きしている元親がいた。その姿を見て、佐助は益々心を打たれていく。改めて事情を聞いた佐助は、どこぞの風来坊ではないが、恋はいいものだよなあ、と幼馴染の金髪の少女を頭に浮かべながら思ったのだった。
「明日の朝餉に間に合うように帰らないと真田の旦那がうるさいから、必ず子の刻までには戻ってきてよ」
すっかり元親と瓜二つに変化した佐助は、いそいそと机に向かった。
「まあ頑張ってきなよ、いってらっしゃい」
「おう、ありがとな!」
ここに来る途中の元親の私室から碇槍も持ってきてくれた佐助に礼を言うと、元親は弩九に乗って執務室から飛び出した。
実に五日ぶりの娑婆の空気だった。
つづく
動きのないサイトなのにいつも拍手ありがとうございます~(;;)
なんとか更新…更新というか…短文ですが…
なんだか本当に…うっうっ返信不要でコメント下さる方もありがとうございます!励みになっております…!えーん(つД;)
続きにお返事です!