黒毛部屋に上げる前に、ということで
手直しは移す時にするかと思います~今夜中に何かしら上げたかったので見直しすらしていない状態ですが…申し訳ない…
ジョシー×サンデーが熱い というかもうザビー教が熱すぎてどうすればいいかわからんのです
黒毛は元就から矢印出まくりだけど、ジョシーサンデーはジョシー→サンデー気味だといいな~と思います。
実際はジョシー→←←←サンデーくらいだけど 普段の黒毛と変わりませんね…
↓そんなジョシーサンデーです↓
すみません拍手ありがとうございますうううううう!!!!ブワッ
またお返事しに参ります!(*´▽`)ノシシシ
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官兵衛はとにかく癒しが欲しかった。いつもいつも三成や大谷に虐げられ、暗い穴倉で労働を強いられれば鬱憤も溜まる。そんな折、大友宗麟が河童頭の貧弱な男達を連れて穴倉にやって来たのは、最早運命だったのかもしれない。
宗麟曰く、ザビー教には愛がみなぎっているらしい。何よりまず癒されたい、と官兵衛が主張すると、宗麟はにっこりと笑って「極上の癒しが待っていますよ」と言った。
かくしてやってきた戸次川のザビー城で、官兵衛は見知った姿を視界にとらえた。
「…げぇっ、なんで毛利がここに」
「彼はサンデーです。ザビー教団戦略情報部隊長を任されている優秀な信者です、仲良くして下さいね」
いつの間にか隣で胡散臭い笑みを浮かべる信者が、サンデーと呼んだ小柄な美人を見て更に口元を歪めた。男の垂れさがった目尻と荒い鼻息に、官兵衛はぞっと背筋を震わせる。
「も、毛利もここの信者だったなんて知らなかった」
「サンデーが戻ってきてくれて、我々は日々眼福…いや、非常に助かっています。ザビー教の運営や、布教や、夜のオカズなど…特にあの腰から尻にかけてのライン……ごほん!とにかく宗麟様には感謝しなくては」
それでは私は職務に戻ります、と口早に言って、そそくさと離れていった信者は掃除当番だったらしく床を箒で掃きながらも、椅子に腰掛け静かに読書しているサンデーを舐めるように見つめていた。
「……………」
講堂のど真ん中に一人取り残された官兵衛は、やや不貞腐れたように唇を突き出した。
いつも大谷と一緒になって苛めてくる毛利元就がここにいることは驚いたが、それよりなにより信者達の元就に対する態度が気になった。
信者たちの目線のいやらしさ――――もしや、性奴隷にされているのではあるまいな。と考えついた所で官兵衛は頭を振った。よく見知った元就が、信者達に体をもてあそばれているところなど想像したくもない。仮に真実だとしても――――否、真実である筈がない。妄想は止めだ。
そもそもあんな潔癖症のような元就が簡単に、それも男に体を許すわけもなく、官兵衛は思考が暴走気味なことに気付いて、冷静になれと自らに念じた。
癒しを求めてザビー教にきたのだ。そこに偶然元就が居合わせただけで、官兵衛とは何の関係もないだろう。
そう、何の関係も。
(…いや…ここに放置されたと言うことはつまり、この場所に小生の求める癒しがあるということなんじゃないのか?)
何も言わずに右も左もわからぬ場所に放り出してくれた宗麟に、官兵衛は頭を回転させた。装飾は煌びやか過ぎるが、厳かな空気に満ちた講堂は確かに心が浄化されていくようだ。しかし癒しというには何かが足りない。その何かを探して目につくものと言えば――――やはり元就の姿だった。
(……………)
先ほど見た時も思ったが、何故細身の体が更に目立つような黒いザビー教団の装束を身につけているのだろうか。確かにザビー教の信者ならば着ていて当たり前なのだろうが、兜も鎧も着けていない元就は珍しすぎて、官兵衛は妙に照れた。
よく見れば奥二重だが一見切れ長の一重瞼も、頬に影を差す長い睫毛も、小さな鼻と口に細い顎も、すっと伸びた背筋と細すぎる腰も、その割に肉付きの良いきゅっと締まった尻も、雅な仕草の一つ一つも、――――正直な所、全てが官兵衛のツボである。
昔はからかうとすぐに怒ったりして可愛かったしなあ、と過去に想いを馳せながら、官兵衛は確信していた。
つまり、元就が癒しであると。
官兵衛は静かに近付いていくと、元就の隣に腰掛け、そのまま元就の方へ上半身を倒した。硬すぎず柔らかすぎず、程良い弾力が官兵衛の後頭部を包んだ。
「……これはなんぞ」
「膝枕、知らんのかお前さん」
「膝枕くらい知っておる。何をしているのかと問うておるのだ」
普段の元就ならば逆に喜ぶだろう行動を取ったつもりだったが、官兵衛の予想に反して元就は冷たかった。
いつもならば、「ついに我を娶る覚悟が出来たのだな?」くらい言いそうなものだが、むしろ「我の膝枕はすなわち性交も同じこと!認知せよ!」とでも言うだろうか。とにもかくにも過剰な猥褻行為を、時と場所と場合を考えずに仕掛けてくる元就にはあるまじき反応だった。
「小生は癒しが欲しくてザビー教に入信したんだよ…金も自由もないが、愛だけはあるぞ…」
「…我の困った顔が見たいだの我を丸裸にしたいだのと素面で抜かす、欲望に薄汚れた貴様の愛など誰が欲しいものか」
「オイオイ、小生はこれでも純情派でね……なんだその顔は」
こんなことを言えば喜ばない筈がない、という言動にもやはり冷たい元就に、官兵衛は段々焦りを感じ始めた。
ふと、元就が遠くを見た。寝転がって下から元就を見上げている官兵衛には、元就の表情はわからない。
「我は博愛主義ゆえ、いかに貴様が我のことを愛してやまぬとも、貴様だけに心を砕くことは出来ぬ…」
「………………」
「タクティシャンのさだめよ」
ここまで悲しそうな元就の声音を、官兵衛は終ぞ聞いたことがなかった。
何をそんなに思い詰めているのか気にはなったが、元就が喋るたびに片頬が触れている彼の薄い腹が微かに震えて、その震動がとても心地よかった。元就に触れている箇所から伝わる温かさに、官兵衛は段々瞼が落ちてくる。
今膝枕をしているのは元就だが、元就ではない、そんな現実逃避も相俟って、官兵衛は目を閉じて三秒で眠りについた。
「……聞いておるのか黒田っ」
「ふが!」
が、元就にすぐに起こされて、官兵衛は叩かれて痛む鼻を擦った。
「なに?我と同衾したい?我が名門を心行くまで蹂躙したいだと?愚劣な…やはり貴様は下衆な男よ。しかし、そうまで申すのならば仕方あるまい…我は皆平等に愛さねばならぬ愛の使徒だが貴様だけ特別ぞ」
「う~ん………ん…!?…待て待て…そんなことは言っていな……小生は真剣にだな、付き合うのなら清い関係からと…」
元就は当然聞く耳を持たなかった。そして、官兵衛は全てが元就の、否、サンデー毛利の策略であることに漸く気付いた。
「信者達よ、急ぎ布団を敷け!我を待たせるな!」
「な、なぜじゃああああ!って、小生はまだ寝んぞ!お前さんとはその…段階を踏んで」
「御託はよい、据え膳を食わぬとは貴様それでも男か。それに、愛しかないのであろう」
「………………」
信者の敷いた布団はそっちのけで、身を起こした膝の上に跨って来た元就に、官兵衛は「もうどうにでもなれ」と愛の扉を押し開いた。