忍者ブログ
親就が熱い
| Home | About | 未選択 | 日常とか | 更新内容とか | 戦国BASARA | 戦国BASARAネタ | ネタまとめ系 | 元就様の尻にハァハァする | 婆娑羅高校バスケ部 | その他 | お返事 | バトン | オフライン | Other |
[125]  [124]  [123]  [121]  [120]  [119]  [118]  [117]  [112]  [107]  [106
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 近頃、昼間の空気も段々と冷たくなってきた。
 だが空は真っ青に晴れ渡り、日輪が我を優しく照らす。おぉ…この幸せ。
 秋から冬に変わる、丁度この時期が一番好きだ。紅葉した木々が風にそよぎ、金色の雨を降らせて行く。鱗雲は空に流れ、冬の気配はすぐ傍に。
「おぉーい、元就ー!」
「……ぁ…、」
 黄金の葉が舞う風に名前を呼ばれ、振り返ればそこには―――、
「………元…親……」

 ああなんと甘美な響きだろう。声と言う音になるだけでこんなにも胸が奮える。
 現われた元親は我の前に立ち、ふっと笑った。
「…ん?どうしたよ、元就」
「…い、いや…すまぬ」
 目の前に元親がいる…それだけで我はどうにかなってしまいそうなのに。
「そんな顔されたら、いけない事…してるみたいじゃねぇか」
 風が吹き抜けた。
「っな…!な、な、何をっ…!」
「はっは、このもみじみたいに真っ赤だぜ」
「…も、元親…!」
 そのように近付かれたら抑えきれぬ…逞しいその腕に抱かれたい…耳元で名前を呼んで欲しい…欲望が、ああ…ああ。
 素直に言えたらどんなにいいだろう…!
「…分かってるぜ、元就」
「っ…え…、」
 元親は囁くと、我の頬を包み込んだ。ああ、そのように…そのように…、

「俺たちも、真っ赤に燃えよう…なぁ、元就…」

 そのようにされたら…我は…!



「―――って漫画を描いてみたんだ。俺、天才じゃねぇ?」
 筋肉質でガタイのいい男が描いたとは思えない、一昔前のベルばらやガラかめのようなこてこての少女漫画を突如突き付けられ、元就は凍り付いた。
 そこに描かれているのはどこの美少女かと思う程美しく可憐に描かれた元就と、ヒラヒラのブラウスが似合うこれまた美青年な元親だった。そう、言うなればマリーアントワネットとフェルゼンのような。
「同人誌と言うものの存在を知ってよ…元親×元就がないなら自分で作ればよくね?と思って」
「…………」
「あまりの完成度に政宗と佐助は感動で咽び泣いていた」
 友人が頭のイカれた馬鹿だと言う事を再確認してしまいショックだったのだろう。
「やっぱりオールカラーが良いんかな…ヒロインとして元就はどう思う?」
「知るか、消えろ」
 辛辣な言葉を言い捨ててその場から立ち去ろうとした元就だったが、掴まれた腕に足を止めざるを得なくなった。他人に行動を制限される事が何よりも嫌いな元就は、紙の中で頬を染めて恥じらう元就っぽい少年――否、よく見ればワンピースのような女物の制服を着ているから少女だろうか――とは似ても似つかない程に恐ろしく冷たい目で、己の腕を掴む元親をねめつけた。
「離せ、下衆が」
「何怒ってんだよ」
「怒ってはおらぬ、ただ貴様の圧死体を見たいと心底思っている、その紙に潰されて」
「か、紙強ぇ!!」
 元親のずれた反応など気にもしない元就は、利き手の右拳をぐっと握り締めた。
 そんなに怒るなよ、と言いながら、全く手の掛かる奴、と言外に漂わせフェルゼンのような微笑みを浮かべた元親に、元就の極端に短い堪忍袋の緒はあっさりと切れた。
「もしこんなんじゃ物足りないってんなら、いつだって描き足すぜ?なんなら一気に十八禁展開もあ」
 元親の甘ったるい声が途切れた。音もなく床に崩れ落ちた元親は、腹部を抱えながら声も出せずに悶えている。
「…他に言いたい事はあるか?」
 冷然とした瞳は元親を見ているようで見ていなかった。先程握り締められた元就の拳は、元親の鳩尾を深く抉った。
 しかし自分から訊いたにも関わらず、十秒も待たずに元就は踵を返す。遠ざかる足音に、最後の力を振り絞って元親が手を伸ばした。
「ま…待ってくれ……元就…」
「…………」
 数歩進んだ所で止まった元就は、無言で元親を見下ろした。
「因みにノンフィクション…………希望です」
「連続で百遍死ね」



------------------

ある方に良かったと言われたのでノンフィクションまで書き足したのですが、

け……結局ぐだぐだ……orz


PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
Powered by Ninja Blog Photo by 戦場に猫 Template by CHELLCY / 忍者ブログ / [PR]